経済情報QQタイムズ 013
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国際通貨基金(IMF)は21日、国際金融安定性報告書を公表し、この中で、金融危機と景気後退により、世界の金融機関が日米欧の市場で被る貸し出しの損失が、2007年から10年までの累計で4兆540億ドル(約396兆円)に達するとの推計を明らかにした。IMFが日米欧の推計損失を示すのは初めて。米国市場の損失は累計で2兆7120億ドルと推計し、前回1月の報告から1・2倍に拡大した。IMFは今回から日欧の損失も新たに加算。欧州は1兆1490億ドルと推計。これに対し、日本は1490億ドルで、米欧に比べると限定的と予測した。
さらに、金融システムの安定化のために必要な金融機関の資本増強も試算。米国が約2750億~約5000億ドル、ユーロ通貨圏は3750億~約7250億ドル、英国は1250億ドル~2500億ドルに上るとしている。その上で、公的資金による資本注入に加え、経営支配権を伴う普通株の取得による一時的な国有化もためらうべきではないと指摘。米国などでは、議決権のない優先株の取得から、普通株取得への転換も検討すべきだとしている。また、金融システムと実体経済との間の悪循環を断ち切るために、多面的な政策対応と国際協調の一層の強化を訴えた、報告書は24日からワシントンで開かれる先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)などの国際金融会議のたたき台となる。
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